相本リレーション ―本との関わり

私にとって人生のパートナー、相方のような本たち。その本と何かの、何らかの関連をもとに記事を書いています。

角川文庫 読破チャレンジ! 現状報告⑦ ストラップ制覇!

ハッケンくんストラップがすべてそろいました!f:id:ayakondo:20130720163236j:image

 

 

特に集めてどうこうというのはないのですが、少しうれしいですね。

でもほんと、使い道がないので困っています(笑)

 

 

21.堕落論 (角川文庫)

堕落論 (角川文庫)

堕落論 (角川文庫)

これは、はじめのほう少し読むのが退屈な部分もありますが、

あとになればなるほど興味深い論ばかりです。

 

現実的にはよくない、浮気好きであるとか堕落であるとかをいいとしているので、

三島由紀夫不道徳教育講座 (角川文庫)を思い出すようなところもありますが、

それよりももっと読みやすく親しみがもてます。

 

「私はただ人間を愛す。私を愛す。私の愛するものを愛す。徹頭徹尾、愛す。」と

デカダン文学論(P.149)にもあるような姿勢が伝わってくるからでしょうか。

 

今はビブリア古書堂シリーズで坂口安吾の奥さんのクラクラ日記が人気なので、

そちらも合わせて読むとより親しみがもてるかと。

私は全部ではないですが、以下でクラクラ日記をかじりました。

栞子さんの本棚  ビブリア古書堂セレクトブック (角川文庫)

栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック (角川文庫)

 

 

22.二十四の瞳 (角川文庫)

まだ読んでない方はこの小説について、どういう印象を持っていますか?

私は古臭くて退屈で、道徳的というか説教くさい、ただきれいな感じの

そういう小説かと思っていました。

 

今回読んでみたら、全然そんなことない。とてもストーリー自体が面白い。

若い先生と子どもたちのどたばたストーリーが前半にあるのですが、

坊ちゃんを楽しめた人なら十分に楽しめます。

 

戦争の話も後半入ってくるのですが、これがすごく現代の価値観と変わらず。

昭和の中ごろに書かれたとは思えないくらい、

いい意味で現代から見て新鮮味のない戦争観です。

 

 

23.生きて行く私 (角川文庫)

これはこのフェアの中でもかなりお勧めの本。

最近の若者は、と言われたら、

でも私より100歳年上の宇野千代さんはこんな生き方だったじゃない、と言える、

そんな本です。

 

何が言いたいかというと、すごい自由奔放。痛快。

女性論など何もなく、人間としてすごい。

 

恋愛もそうだし、お金があると計画性もなく家を建て、

モラルだとかそんな小さなことを気にせず博打をし、それを公言する。

そして100年近く生きると人にはこれほど歴史ができるのかというくらい、

生まれてから書かれたときまでいろんなできごとがある。

 

昔、行動することが生きることである―生き方についての343の知恵

読んだのですが、このときはまだこの人を知らず、

ただお年寄りから若者へのエールくらいにとらえていました。

今読んだらその重みが全然違うだろうなと。

 

とにかくすごい。

女性の書いたエッセイだと、どうしても女性の社会進出だとか立ち位置だとか、

女性なのにこんなにがんばって、とか余計な情報がついてしまうけど、

この人はそんなレベルじゃないです。女性らしいのに、それどころではない。

 

 

24.徒然草 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

名文のようなものを期待すると、少し残念に思うかもしれません。

酒飲みがどうとか嘘の分析だとか、とても日常的なので。

 

もちろん、「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。」(P.174)といった

古典の教科書に出てくるような名文も多くあるのですが。

 

一番いいなと思ったのは、心の主体性を説いた文。

主人のいない家には通りすがりの人や獣が入り込んだりするが、

心も同じようにきちんとした主人がいないと、

通りすがりの浅い考えやよからぬ雑念が進入する。

 

 

何でも受け入れる体勢も大事ですが、自分を管理できることは重要ですよね。

 

 

さて、世間は夏休みでしょうか。

40日間休みでも、きっと120冊は読まないのだろうなと思い、

それを思うとやはり仕事があるのは幸せです。